01.のらりくらりと始まりました


 さて、衛宮士郎が聖杯戦争というものを知ったのは、一月もあと三日で終わりといった頃のことだった。
「――あ、そうそう士郎。聖杯戦争に出る気ないかな?」
 養父である切嗣と居間で煎餅を食べながら会話をしている時、ふとそのような名前が出てきたのだ。当然、聖杯戦争という単語の意味すら知らない士郎は何とも返しようが無く、「聖杯戦争って何さ」などと煎餅を齧りながら答えるしか無かった。
「あれ、教えて無かったっけ? 聖杯戦争っていうのはね――」
 そもそもの説明をしていなかったことに気付き、切嗣は二百年前から続く聖杯を巡る戦いについて解説した。アインツベルンから教わった御三家の関係から、自身がその眼で見た呪いのような黒き聖杯の真実まで。途中に都合良く改変した自身の武勇伝を混ぜながら、演説のように講釈した。その間、士郎は新たな煎餅に手を出したり、中身の少なくなった湯飲みにほうじ茶を注いだりしていた。
 三十分程経ったところでようやくその長話は終わり、新聞を読みながら煎餅を食べていた士郎は顔を上げた。話しを終えた養父は湯飲みを手にしていた。そうして切嗣は乾いた咽喉を潤し、一息吐いた。
「ふーん、じゃあ聖杯が汚れてるなら、願いなんて叶わないじゃないか。それに気付かずにまだ聖杯戦争をやろうとするなんて、なんか可哀想な奴等だな」
 相変わらず煎餅をバリボリと食べながら、話を聞いていた士郎は同情するように言い放った。ちなみに、その手は既に八枚目の煎餅に突入している。
「まあね――って、士郎。人が長話をしている隙に僕の分まで食べないでよ。あと二枚しか無いじゃないか」 「あ、悪い爺さん。ほら、残りは全部食べていいよ」
 そう言って、士郎は煎餅の入った容器を切嗣の方へ差し出した。笑みを浮かべながら受け取る切嗣。片手を湯飲みに添えたまま、逆の手で煎餅を掴む。その間に、士郎は養父の湯飲みにお茶を注いだ。
「わざわざありがとう。……で、何処まで話したっけ?」
 ピシッという音が小さく響き、二つに別れる醤油煎餅。
「聖杯戦争がどんなものか、っていうところまで」
 ジョロロという音と共に、急須から注がれるほうじ茶。
「ああ、そうだっだ。でね、実はそろそろ第五回目の聖杯戦争開かれるんだ。というか、既に何体かサーヴァントは召喚されてるみたい」
「なんでさ。聖杯戦争って六十年周期じゃなかったのか? というか、そもそも聖杯は親父が壊したんだろ?」
 士郎のその言葉を聞き、切嗣は十年前のことを思い出した。そう、確かに自分のサーヴァントに命じ、現れた聖杯を破壊させた筈だったのであるが――
「ああ、それなんだけど……実はね、聖杯壊してもあまり意味ないんだって。この家に引っ越した次の日、言峰が此処に来て色々と嫌味ったらしく言ってたよ」
「うわ、言峰の嫌味か。想像するだけで嫌になるな」
 士郎と切嗣は、同じように苦々しい表情で憎らしい神父の顔を思い浮かべる。しかし残念ながら、薄気味悪い笑みしか浮かんでこなかった。何ともいえない嫌悪感と共に、二人の全身に鳥肌が立つ。
「うん、あれはさすがの僕も苛立ったよ。言ってることが理解出来るだけに、尚のことね」
「『ふむ――』とか、『いや何――』とか、重たい話し方で図星突いてくるからな。俺、アイツだけは自信を持って自分と合わない奴だって断言出来る」
「だよね。アレはきっと、衛宮の敵だよ」
 そうして暫く言峰綺礼への愚痴を言い合いながら、今度はテーブルの真ん中に置いてあった蜜柑を食べていた二人は、話を本筋へと戻した。
「――おっと、話がずれてたね」
「詳しいことは後で言うけど、とにかく第五回はもうすぐ開始されるんだ」
「まあ、爺さんがそう言うならそうなんだろうな」
「で、話は最初に戻るけど……士郎、これに出てみない?」
「いいよ」
 煎餅だけでは足りなかったのか、どこぞの虎のような勢いで、士郎は蜜柑を剥いていく。数枚の花弁が重なっているようなそれは、雑談をしながら剥いたとは思えない程の出来栄えだった。
「え、ほんとに? 意外だな、士郎なら『聖杯なんて要らない』って言って断るかと思ったのに」
「自分で誘っておいて何だよそれ。……まあ確かに要らないのは事実だけどさ」
「あ、やっぱり要らないんだ。じゃあなんで参加しようと思ったの?」
「だって、正義の味方になる為には、そういうイベントは必須だろ」
「……士郎、まだ諦めてなかったの? 正義の味方は僕に任せて、君は別のことを目指せって言ったろう。ほら、消防士とか」
「人のトラウマを抉るようなこと言うなよ爺さん。俺、今日火事の夢見たばかりだぞ」
「ああ、だから今日の朝は調子が悪かったんだ。ごめんごめん」
「――とにかく、俺は正義の味方になるんだ。だったら、聖杯戦争みたいなことは体験しておくべきだ。だから、出る。絶対参加する」
 断固として決意している士郎を少し呆れたように眺めつつ、切嗣は新しい蜜柑を手に取った。そして、皮を一通り剥き蜜柑を何分割かすると、今度は申し訳無さそうに士郎の顔を見て口を開く。
「……と、ここまで盛り上がってるところで悪いんだけど、聖杯戦争に参加出来るかどうかはまだ何とも言えないんだ」
「……は? なんでさ」
「さっきも言ったろう? マスターは聖杯によって選ばれるんだ。まあ、冬木には魔術師の家系がウチを含めて三つもあるからね。それにアインツベルンや協会も来てるだろうし……本当のこと言うと士郎が出られるかなんて運だよ、運」
「じゃあ、親父がまたマスターになるって可能性もあるのか?」
「まあね。でも、僕はもうやりたくないから、もし僕に令呪の痕が出たら士郎に譲ろうかと思ってたんだよ」
「ああ。だから、聖杯戦争に出るかどうか訊いたのか」
「さすがの僕も、息子に押し付ける訳にはいかないからね。士郎が嫌って言うんだったら、仕方なく僕がやるつもりだったんだよ」
 悲痛な表情を浮かべながら、切嗣は苦笑した。それは、前回の聖杯戦争を体験した者としての責任だ。
 そんな珍しい養父の顔を眺めながら、目の前にあった蜜柑に手を伸ばす。
「あ、それ僕の蜜柑じゃないか! なんで士郎が食べるんだよ?」
「うわ、ごめん。ついつい」
「ついついじゃないよ。さっきの煎餅の時といい、今日はなんでそんなに食い意地張ってるのさ?」
「爺さんの話が長いからだろ」
 当たり前のように、士郎は返答する。若者は、年寄りの長話が苦手なのである。
「……まあとにかく士郎、聖痕が浮かぶのを祈るしかないね」
「わかった。とりあえず待つしかないんだな」
「そういうこと――って、士郎! もうこんな時間だ」
「む、危なかった」
 そうして衛宮の親子はすぐさま話を切り上げ、テレビのスウィッチを付ける。理由は簡単。今日が木曜で、今が二〇時五八分だからである。そう。今夜、最強のコックが帰ってくるのだ!
「爺さんも、こういうことしたことあるのか?」
「さすがの僕もテロリストを相手したことはないなあ。何より、僕はここまで強くない」
「だよなあ」
「あの無敵さはもう別物だと思う。彼は無敵であるべき、っていう概念にまで昇華されてる気がするよ」
 そんな与太話とテレビから流れる映像を背景に、衛宮家の夜は更けていく。
 まあ何にせよ、そのような感じで衛宮士郎は聖杯戦争への参加を決意したのだった。


 そう。遠坂凛は考える。
 己の父――遠坂時臣は、死んだ。いや、それは正確では無い。彼はこの世界から消えただけなのだ。
 ある日、うっかり大師父の部屋に入ってしまった時臣は、見事にその魔境に閉じ込められた。そして、これまたうっかり罠のスウィッチに触れてしまった時臣は、何故か並行世界の彼方へと吹き飛んでいったのだ。
 第二魔法の真髄とも言える、並行世界間の移動をその身で体験したのだから、魔術師としてはお得なことかもしれないが、ことはそう上手く進まない。事故で出来た孔は入口だけであり、出口が無い。そして、遠坂時臣は魔法使いではない。つまり、彼は出口の無い迷宮に入り込んでしまったのだ。どのような状況下にいるのか正確にはわからないが、結局のところ、この世界に存在しないことは変わりなかった。
 妻である遠坂葵はその知らせを受け、一瞬茫然とし、十分間腹を抱えて大爆笑した。元よりこの女性、うっかりなところを可愛らしく思って時臣と結婚したのだった。
 そうして、小学生にして凛は遠坂家の当主となった。というか、なってしまったのである。なぜなら、遠坂の後継ぎは凛しかいなかったのだから。
 内側に引き篭もっている凛の目の前には、少し前までリビングルームと呼ばれていた部屋の残骸があった。整えられていた装飾は最早見る影もない。破片の崩れは治まり、元リビングには静寂が戻り始める。奇跡的に生き残っていた柱時計の振り子だけが、規則的にチクタクと揺れていた。相変わらず時刻はずれている。苛立ちを吐き出すかのように、凛は深く溜息を付いた。
 今より数分前、彼女は一世一代の大儀式を行っていた。
 サーヴァントの召喚。
 聖杯戦争を迎える上での必須事項。マスターとしての最初の責務。その手に現れた令呪の導に従って、彼女は自らを超える存在である英霊の写し身を召喚しようとしたのである。
『――告げる。汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ』
 大掛かりな魔術であったが、優れた術師である凛に失敗の要素はなく、そもそも失敗することすら考えていなかった。遠坂を継ぐ魔術師として、彼女は己の技と才に絶対の自信を持っていたのだから。
『誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ――!』
 呪文は終わる。その瞬間、肉眼では捉えられぬエーテルは召喚陣の上で舞散った。だが、戻った凛の視界に求めていた姿はおらず、何故か上の方から爆発音が聞こえてくる始末。そして、息をつく暇もなく一階まで駆け戻った凛が見た光景が、崩れ落ちたリビングルームというものだったのであった。
「――」
 原因はわかっている。この部屋に戻ってきた時に、彼女はそれを理解していた。  だが、それは自分のせいなのか。いや、自分のせいなのは当たり前だが、そもそも究極的にはこの怒りは誰にぶつけるべきなのだろうか。
 そう。遠坂凛は考える。
 今このような状況になってしまったのも、自由を満喫するために母が旅立ってしまったのも、当主となった自分が周りからグダグダ言われるのも、桜と喧嘩中なのも全て、あのうっかり者の父のせいなのだ、と。  二百年にもわたるその血筋と歴史を膨らまし、時臣は己の娘へ遠坂の全てを継がせようとしていた。それは目論見以上に成功し、遠坂凛は五大元素という優れた属性と父を超える魔術師の才を持って、この世に生を受けたのである。
 それは素直に感謝すべきことだろう、と凛は思う。魔術師としての遠坂凛を作り上げたものに、父である時臣の存在を欠くことはできない。
 しかし、それ以上に彼女は怒りをぶつけることがあった。何故、余計な才能まで自分に受け継がせたのか。本来ならば、時臣が犯した最大の責任をすっかり忘れ去ってしまっていた凛自身に罪があるのだが、今の彼女にそんな理屈は通じない。
 時臣の妻である葵が持つ禅城の血には、その才覚を引き上げる特異が染み込んでいる。つまり、遠坂時臣のうっかりは、巡り巡って加速した上で、娘である遠坂凛へと受け継がれたという訳なのだ。
 その結果がこれである。
 乱れた部屋。そして、その残骸に埋もれるように逆さになっている一人の男――誰がどう見ても、彼女の召喚したサーヴァントであった。
 最早、苛立ちを叫びにぶつける余裕すらない。まだ顔も知らぬ目の前の使い魔と、やっかいなものまで遺伝させてくれた父に対し、心の底からの恨みを込めて、彼女はただ一言愚痴を吐いた。怒りのガンドと共に。
「――最っ悪」
 呪いの散弾は、家具を更に破砕させながら、逆さで気絶しているサーヴァントへとぶちあたる。背後にあった柱時計は臨終、ついに生命活動を停止する。止まった時刻は、誤ったままの二時六分を指していた。
 そう。うっかり時間を一時間ばかし間違えて、彼女の聖杯戦争は幕を開けたのであった。


「――ははっ、遂に僕も魔術師になったんだ!」
 アホ丸出しの声を上げながら、間桐慎二は自宅の居間で興奮していた。それも当然である。魔術師になるという、今まで望みに望んでいたことが、とうとう叶ったのだから。
 昨日まで、慎二はただサーヴァントであるライダーを見ていることしかできなかった。
 だが、今の彼の右手は、令呪を冠した偽臣の書を持っている。英霊であるサーヴァントをその手で行使することができるのである。つまり、間桐慎二はマスターに――魔術師になったということだ。マスターとなり、サーヴァントと呼ばれる使い魔を持って、聖杯戦争に勝利する。それを可能とするのは魔術師のみ。慎二はそう認識している。そう。それならば、間桐慎二が魔術師ではない道理はない。
 改めて確認したその事実に、慎二は眼をクワっと開き、声にならぬ声を上げる。あまりの興奮にいきり立ちながら、ついに覚醒した自分の才能に恐れをなした。
「僕の身体中を目に見えないすごい力が巡ってやがる! そうだ、僕は由緒正しいマキリの後継者なんだ!」
 溢れんばかりの力に震える自分の体を、抱きしめるように押さえつける。
「クソッ、まるでじゃじゃ馬だなコイツ」
 その台詞とは裏腹に、慎二の顔は気持ち悪いくらい喜悦で満ち溢れている。
 そうして、慎二が自分に酔いしれていると、自室のドアをノックする音が聞こえてきた。舌打ちを一つ。慎二の顔は、苛立ちに染まる。相手が誰か考える間もなく、ドアを勢いよく開ける。そもそもこの時間に彼の部屋をノックする者など、一人しかいない。
「こんな夜中に何の用だよ、さ――」
「――私です、シンジ」
「――な、なんだ。ライダーか」
 しかし、ドアを開けた向こうにあった景色は、慎二の予想とは違っていた。
 ライダーのサーヴァント。妹が召喚し、今は自分のものとなった過去の英雄である。
「何か用なのか?」
「ええ。少し苦言を」
「な、何だって?」
「夜更けにあのようなことを大声で叫ぶのは止めてください。サクラが心配してしまいます」
 隠された眉を潜めつつ、ライダーは告げる。その口調は丁寧なものだったが、言葉の裏にはまるで蛇の締め付けのような拘束力が込められていた。
 何故だかわからないが、自分のサーヴァントは苛立っている。それを無意識の内に理解した慎二は、逃げるように言葉を発した。
「わ、わかったよ。僕は懐の広い兄だからね。気弱な妹に気をかけるくらいのことはしてやるさ」
「――感謝します、シンジ」
 その返事を聞き、ライダーは廊下の闇の奥へと姿を消していく。
 慎二はその姿を目で追う前に、自室の扉を閉める。鍵をかけた。右手に握ったままだった偽臣の書は強く握りしめられ、少し皺になっている。
「ビ、ビビってなんかいないんだからなっ!」
 先程よりも数倍小さい声で、慎二は一人呟いた。
  「それにしても……」
 そう言って慎二は、右手で掴んでいる本のようなものを開く。そして中を覗くと、マジックのようなもので書かれた紋様があった。
 その三つのパーツで構成されたそのマークこそ、ただの人間である魔術師が規格外の使い魔であるサーヴァントを御する為の機能。古くにマキリによって用意された、聖杯戦争に必要な機能。
 すなわち、令呪――の筈なのであるが。
「……まさか令呪が、こんな赤マジックで落書きしたような模様だったとはね」
 おまけによく見れば、令呪が刻まれているその本は、書というよりはむしろノートに近かった。というか、ただのノートだった。文房具屋などで売ってそうな、いわゆる普通の大学ノートだった。恐らく値段は百五円程度だろう。学校の鞄に入っていても誰も違和感を抱かないくらい、あまりにも普通過ぎた。
 どういうことなのか端的に言うならば、それはまさに偽物だった。誰がどう見ても、偽物にしか見えない程、偽物だった。ただのノートにマジックペンで落書きした、偽物の令呪だった。
 ――つまるところ、真相はこうである。
 数日前、桜がサーヴァントを召喚したところ、それを知った慎二が「頼む! ぼくにライダーをくれ!!」と鼻水を撒き散らしながら言ってきたのだ。
 しかし、話はそう上手くいく筈が無かった。
 そもそも今回の聖杯戦争は、桜にとってとても大事なものだ。何せ、長きにわたって行われていた姉妹喧嘩――その最終戦。相手はあの遠坂凛だ。おまけに、サーヴァントだっている。ライダー無しでは、勝てる筈が無いではないか。
 だが、このままでは聖杯戦争中、慎二はずっとこの調子だろう。さすがに我慢強い桜も、この気持ち悪さには耐えられなかった。そこで桜は、慎二にライダーを渡さずに、満足されようと一計を案じ、こうして偽の令呪を与えたのだった。
 ちなみに余談ではあるが、デザインはライダーによるものである。そのセンスがあまりに無かったのも、また余談であった。
 そして桜の予想通り、慎二は令呪が偽物であることに気付かなかった。残念なことに、夢が叶って興奮しているから仕方が無いと庇うことすら出来ない程、彼はアホだったのだ。
「フン、まあいいさ。とにかく僕はマスターになったんだ」
 念願の魔術師になったと勘違いしている慎二は、己の愚かさに気付くことはなかった。
 彼のアホさ加減はそれだけでは終わらない。なんと、マスターになった時から感じている秘められし力のプレッシャーというものは、実のところライダーの力によるものなのである。魔眼の力の応用で、慎二を常に圧迫しているのである。身体が震えるのも当然のことだった。
 そうして、ライダーの報告を聞いて予想通りの結果になっていることに頷いている妹のことなど知りもせず、間桐慎二は自分を魔術師と称し聖杯戦争へと思いを馳せていく。


 こうして、それぞれのアホな思いを乗せたまま、聖杯戦争は刻一刻と開幕へ近づいていく。
 この数日後。
 七人目のマスターである衛宮士郎のサーヴァント召喚をもって、舞台の鐘は開幕を告げるのであった。


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